毛細管粘度計の自作方法と注意点

毛細管粘度計を自作する時のポイント

毛細管粘度計は1本の管を加工することによって自作可能です。他の粘度計に比べて自作する際の材料が少ないのが特徴といえます。毛細管粘度計を作る際にはまずプラスティック管を用意します。プラスティック管はホームセンターなどで売られています。管の太さ次第で測れる粘度が変わります。
強い粘度の流体を計測したい場合には、太めの管を用意することが重要となります。自作の場合でも太さを後から買えることは難しいので、材料を購入する段階で確認しておくことが大切です。プラスティック管の準備が終わったら、液溜めの部分を作ります。熱することで材質を軟らかくしてそこに空気を入れることで膨らみが出来ていきます。この膨らみに試料などを溜めて計測する仕組みになっているので、この作業が非常に重要となります。
次に管の中央部分を軽く温めてから曲げます。折りたたむように曲げた状態で固定していったん冷やします。これで形が定まることになります。

毛細粘度計作成の仕上げ部分

プラスティック管を折り曲げた状態で固定したら目盛りを付けていきます。この目盛りが毛細管粘度計で計測する際の目安となるので、定規などで測りながら慎重に油性ペンで書き込むことが大切です。そこまで終わったら管の先端から3㎝ほど中に進んだところで接続していきます。管を熱することでプラスティックが溶けるので、その状態で接続すれば後は冷やして固定するだけです。

毛細管粘度計を作るときには基準に合うようにすることが重要となります。一般には水の落差秒差が0.5秒から0.9秒未満の場合には、動粘度測定範囲が400から2000に収まるようにすることが多いです。毛細管粘度計を作成後に一度計測をして、動粘度の測定範囲が400から2000にならなかった場合は管を切断して調整することが有効となります。調整が終わったら切断面を軽く溶かして軟らかく固めると完成です。相対粘度を求める際に活用することが出来ます。

まとめ

毛細管粘度計は管の太さを選び分けることが重要となっています。太さが試料に合っていないと誤差が大きくなってしまうので注意しておきましょう。ホームセンターなどでは様々な太さのプラスティック管が売られているので、多様なサイズの毛細管粘度計を自作することも可能です。ポリエチレン管は加工がしやすいので初めて粘度計を作る方にうってつけといえます。自作の毛細粘度計があれば、相対粘度と絶対粘度の両方を調べることが出来ます。